同窓会あいさつ

 本日,鹿角市立十和田中学校第9期卒業同窓会に本当に多数の皆様方にご出席いただきまして,誠にありがとうございました。遠路はるばる,まだまだ寒さが身にしみる鹿角の地へお出でくださった会員の皆様方には心から感謝申し上げます。
また,母校である十和田中学校在学中,たいへんお世話になった当時7クラスの学級担任の先生方全員のご出席を賜りまして厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
私たち42歳の厄年にあたる男性陣,本日,十和田市民センターにおいて,33歳の方々との合同厄祓式を厳粛な雰囲気の中で慎ましく,そして42という節目にあたって心を新たに再出発をするという決意をもって式典を滞りなく終えることができたことをご報告申し上げます。式典の運営においてご協力いただきました女性の皆様方,ありがとうございました。
さて,私たち第9期の十和田中学校卒業生は,20歳の成人式,33歳の同窓会を経て,本日42歳の同窓会を開催することができました。本同窓会を「あすなろ会」と命名し,「開拓精神」の校訓のもと,同じ時期,同じ学舎で教えをいただいた先生方と勉強,部活動と苦楽を共にした仲間の会が発足いたしました。
今日の同窓会が開催されるまでの経緯をお話しさせていただきます。6月22日に成田拓生君,板橋博孝君が呼びかけ人となって,準備委員会が発足。7月に実行委員及び事務局が組織され,役員案を提出。8月に承認となり,それ以降,毎週のように集まって会議や練習をしてまいりました。私は何もないところからのスタートが一番苦しく,難しかったと思っています。改めて成田拓生君と板橋博孝君の勇気ある行動に感謝申し上げます。
さて,実行委員会が本格的に始動してからは,地元鹿角に居を構えている実行委員はものすごいがんばりを見せたと思っています。会議の中で一番印象に残っているのが,「せっかく開くの同窓会,遠くから来る友だちもいる。参加してよかったなあと思える会にしないといけない」という発言です。やや最初は義務感もなきにしもあらずでしたが,だんだん役員会,実行委員会を重ねるにつれ,参加してくださるみなさんに喜んでもらうためという初期の目的が,自分たちの活動がだんだん楽しくなり,笑いあり,感動ありとまず自分たちが楽しまないとみんなが楽しめないという雰囲気に変化してきたことを実感しています。本日の余興,みなさんに心地よく楽しんでいただけることを期待しております。女性陣の華麗で人の目の釘付けにする女性美と男性陣の羞恥心を捨てた本物の男のたくましさをご披露いたします。42という男性の節目の年ではありますが,女性の皆様方から花をそえていただき,心から御礼申し上げます。
42歳という節目を迎えるにあたって,ほんの少しばかり過去を振り返ってみたいと思います。私は7組に在籍しておりました。当時高田均先生が学級担任で,7組の生徒に次のようなお言葉を授けてくださいました。それは,「やってできないこともある」という言葉です。当時,夢や希望を持ち
努力を重ねれば,必ずや自分の目標を達成できると信じていた私には非常にショックでした。高校時代もその言葉が頭から離れず,反抗するかのごとく自分の夢を実現するためにがむしゃらにがんばっていたことを今でも覚えています。しかし,大学時代になると様々な価値観を持つ人たちと出会い,「やってできないこともある」という言葉にほんの少し共感できるようになっていたと思います。教師になった22歳の時,「やってできないこともある」という言葉が「もっと肩の力を抜いて,やさしく生きなさい」というおもいやりのある言葉として捉えることができました。
 そして,30代,「やってできないこともある」という言葉が仕事にも反映され,努力を重ねてできなければできないのだ。それはもしかしたら方向が違っている。そんなときは発想を思いっきり変えてまた挑戦しようという意味に発展した形で捉えるようになり,今の私がおります。師の教えは,こうして教え子たちの生きる羅針盤になっているのです。本日ご出席くださいました7人の恩師の先生方の教えは,ここにいる会員の心に様々な形で浸透し,それぞれの生きる糧になってきたのです。加齢とともに解釈は異なるとはいえ,多感な中学生の時期に学んだことはしっかりと脳裏に焼き付いています。親はいくつになっても親であると同じように,先生はいくつになっても先生なのです。
今,私たちのほとんどは,ついに40代に突入してしまいました。ある日,テレビで「ズームイン朝」という番組を見ていたときに,大きな文字で,「日本で一番かわいそうな40歳」というタイトルが映し出されていました。なんでも年金を一番多く納め,いただけるときには一番少ないというのです。これからいろいろと議論されるようですが,私はその時,本当に私たち40歳はかわいそうだなと思うと同時に,自分たちを犠牲にしてでも世のため,人のために一番お役に立てるのが40歳なのだとも思いました。世のため,人のために活躍する人たち,これを私は「若者」と呼んでいます。つまり,私たちはずっと若者でいられるのです。
ずっと若者でいられるように,そして恩師の先生方と第9期に十和田中学校を卒業した仲間がずっと絆を大切にしていけるようにと願って,私の好きな言葉を紹介します。
道元の言葉の中に,「花紅にして美なりといえども,ひとり開くにあらず,春風来たりて開くなり」とあります。春風は恩師や家族の助言,友人の励ましや忠告のことです。自分一人だけではこれまでもそしてこれからも生きていくことはできません。心から尊敬する恩師の先生方,そして心から信頼し合える仲間があってこそ,これからよりよく生きていくことができるのではないでしょうか。それがこの「あすなろ会」の存在意義でもあります。
最後になりますが,今日の同窓会の開催にあたって,実行委員会一同本当にお互いの時間をやりくりしながら力を合わせて企画,運営してきました。まず,実行委員の皆様のご家族の理解と協力に感謝したいと思います。家庭サービスの時間はこれから挽回していただきたいと思います。
 本日の同窓会,不行き届きのところもあるかと思いますが,実行委員が一生懸命に各部門の副会長を中心に準備を重ねてきた苦労に免じてなにとぞご容赦をお願いいたします。
 本日の同窓会を機会に,更に「あすなろ会」がますます発展することを祈念いたしまして,私のあいさつといたします。どうぞ心ゆくまでお楽しみください。どうもありがとうございました。

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