4 シミュレーション結果からみる今後の財政展望(まとめ)
 
 

現 状

合併しない場合

合併した場合

収支バランス

・ 社会経済状況の悪化が続き、税収増の要因も少ないなかで、厳しい財政運営を迫られています。
・ 自治体の貯金にあたる基金の積み増しも難しく、借入金である地方債等を活用した事業の償還(返済)が続くなど、今後の見通しも不透明かつ厳しい状況となっています。

・ 鹿角市は、平成19年度ごろから収支バランスが厳しい状況になることが想定されます。
・ 小坂町は、平成16年度ごろから収支バランスが厳しい状況になることが想定されます。

・ 合併のメリットを活かし、安定した財政運営の継続が想定されます。
・ 一定の余裕財源を見込み、基盤や体制の充実など、活力あるまちづくりに取り組みやすくなります。

合併に伴う支援措置等

・ 有利な条件で発行できる合併特例債をはじめ、合併特例法に基づくさまざまな支援措置が用意されています。

・ 合併特例債等の活用が可能になり、都市基盤等の整備を効果的に実施することができます。
・ 支援措置の活用は、無駄や無理のないよう、合併のメリットを活かす方向で行われる必要があります。

地方交付税

・ 国の地方交付税特別会計が厳しい状況にあり、地方交付税の安定的確保を見通すことが難しい状況にあります。
・ 国と地方の関係、三位一体の改革など、これまでの制度そのものを揺るがす議論が進もうとしているなかで、地方の財源確保を見通すこと自体が困難な状況です。

・ 国の厳しい財政状況にあって、地方交付税の安定的確保の見通しは立てづらい状況です。
・ 小規模自治体ほど手厚く交付される、地方交付税の「段階補正」という算出手法が見直される動きがあり、今後は小規模な自治体ほど交付税の安定確保が難しくなることも想定されます。

・ 合併算定替えにより、合併後10年間は、合併前と同様に地方交付税額が交付されるため、この間に合併のメリットを活かすためのまちづくり等に取り組むことができます。
・ 合併後11年度目~15年度目の5年間は、激変緩和措置として、一本算定に向けゆるやかに縮減する措置が取られるため、交付税額調整の混乱を回避することができます。
・ 合併後16年度目以降は一本算定額による交付となりますが、それまでの間に安定した行財政運営体制を構築することにより、新市としてのスムーズなまちづくりを継続することが可能となります。

人件費

・ 歳出の柱の一つであり、これまでも行革大綱等にもとづく適正な職員配置等が行われてきました。

・ 財政規模全体の縮小傾向が避けられないなかで、人件費についても一定の抑制が求められます。
・ 職員の退職補充を抑制することも考えられますが、住民サービス水準の確保などのバランスを考えると、あまり大規模な抑制も難しい状況です。

・ 合併により、重複する部門などを効率的に再編成することにより、合併しない場合に比べ、より多く抑制していくことが可能となります。
・ 首長や議員などの人数も減少し、人件費の抑制が想定されます。
・ 住民サービス水準の確保に努めながら、より効果的で実践的なまちづくり体制の構築を行うことが、合併のメリットを活かす大きな要素になります。

 
注)合併する、しないによって異なる財政要素の主なものについて展望したものです。
 以上の財政シミュレーションから、「合併しない場合」では地方交付税等の減収によって今後厳しい財政状況が予想されます。しかし、「合併した場合」においても、合併当初は特例により予想以上の財源的余裕が生まれ、また合併メリットによる効率化が促進されますが、合併特例の期限終了後には歳出が歳入を上回る可能性もあることから、各種経費の節減等行財政基盤のより一層の効率化を図る必要があります。
 新市建設計画における財政計画ではこの点を踏まえ、新市の将来構想実現に向けた長期的で安定した健全財政計画を策定することが求められます。
 
【参考】総合計画にみる基本理念・将来像・基本的方向・戦略的施策
 
 

区分

鹿角市

小坂町

基本理念
・将来像

【鹿角市の将来都市像】
『出逢い賑わい夢をかなえるまち・鹿角』

【夢社会の展望】
○「福祉・夢社会」
 
総合福祉拠点、福祉システム構築、バリアフリー化
○「経済・夢社会」
 
情報拠点、流通拠点、企業化、地産地消活動
○「環境・夢社会」
 
体系的・広域的環境衛生、森林空間、市街地交流空間
○「地域・夢社会」
 
地域の新顔づくり、地域活動、中心市街地活性化、新都心軸
○「文化・夢社会」
 
鹿角学活動、史跡等の保存・公開・活用、文化拠点
○「市民・夢社会」
 
情報技術普及、市政・地域づくり参加、夢実践支援

【小坂町まちづくりのテーマ】
『エコ・ライフ やすらぎのステージ』
「誇れる・強い・やさしいまち」

【テーマに込めた小坂町の将来像】
○かけがいのない宝物・地域資源を大切にし、環境にやさしい循環型社会(サスティナブル・コミュニティ)が形づくられるまち
○地域への思いと将来への夢と希望を抱き、未来に向かって人々が挑戦するまち
○四季折々の魅力が感じられ、豊かな自然にかこまれたやすらぎのまち
○地域全体が輝き、生きがい・やりがい・働きがいを実感できるまち
○町民のみんなが元気で、健やかに生活できるまち

 

区分

鹿角市

小坂町

基本的方向

【基本目標・施策大綱】
基本目標1
快適とゆとりを育むまちづくり
(1)快適でゆとりある交通輸送の整備
(2)快適でゆとりある都市空間の整備
(3)快適でゆとりある交流空間の整備
(4)快適でゆとりある住環境の整備
基本目標2
安らぎとふれあいを育むまちづくり
(1)自然が安らぎ、自然とふれあう快適環境社会の構築
(2)自然が安らぎ、地域でふれあう生活安全、消防防災対策
(3)心が安らぎ、心とふれあう社会福祉の充実
(4)暮らしが安らぎ、暮らしにふれあう社会保障の充実
(5)体が安らぎ、体がふれあう保健・医療の充実
基本目標3
活力と魅力を育むまちづくり
(1)活力ある農林業と魅力ある農山村の振興
(2)活力ある商工業と魅力ある商店街の振興
(3)活力ある観光業と魅力ある観光地の形成
(4)活力ある産業と魅力ある雇用の創出
基本目標4
豊かさとうるおいを育むまちづくり
(1)智恵豊かに心うるおう学校教育の充実
(2)人生豊かに生活うるおう生涯学習の充実
(3)人材豊かにうるおいのある活動の充実
(4)歴史豊かにうるおいのある文化の振興
基本目標5
自立と連携を育むまちづくり
(1) 行財政運営の自立と広域行政による連携の推進
(2) 定住化による自立と地域間・国際交流による連携の促進
(3) 自立したコミュニティの形成とパートナーシップに基づく市民との連携の構築
(4)情報化による自立と連携の推進

【分野別基本目標】
第1節 誇れる小坂をつくろう
 ・魅力ある地域イメージをつくろう
 ・夢を持たせる教育と文化都市をめざそう
第2節 強い小坂をつくろう
 ・活気あふれる産業を育てよう
 ・たくましい地域基盤をつくろう
第3節 やさしい小坂をつくろう
 ・清らかで暮らしやすい居住環境をつくろう
 ・夢と希望と生きがいのあるまちにしよう
 ・住民に支えられたまちにしよう

戦略的施策   【シンボル事業】
○こさか・十和田・ミュージアム構想
○こさかエコ・タウン構想
○こさか企業家(ベンチャー)創出支援構想
○こさかまちづくり創造センター構想 -21プロジェクトKOSAKAシンクタンク-
○こさか安心・安全・食料基地構想
○こさか健康づくり構想○湖遊都市こさかづくり構想
 
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