NO.002
ある晴れた日、ファインダーで覗いていた風景は、ある瞬間からファインダーの中の風景ではなくなった。自分はカメラを構えていなかった。長い間歩き回り、波の音や風の音がしていたはずなのに、聞こえていなかった。にわかに雲が広がり、雷が鳴りだし、雨が降っても気付いていなかった。聞こえるのはシャッターの音だけだった。
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