細菌農薬 微生物殺虫剤 及び 微生物殺菌剤について
ここ何年か、これまで経験したことのない猛暑が続き、それに伴い、アメリカシロヒトリの被害が大きくなってきました。
仕事柄、駆除を依頼されることが多くなるにつれ、マスクの間から吸い込んだ殺虫剤の影響だと思いますが、大好きなお酒を体が受け付けなくなってしまいました。 当然ながらお酒だけでなく、食物全体を拒否するのも自覚するようになりました。
本能的に、これではいけないと思い、人畜無害の微生物殺虫剤のBT剤を試してみました。
触れるとすぐ落ちて死ぬという、これまでの毒成分で駆除する薬剤と異なり、病気を罹患させ、結果的に駆除するという考えなので、成果が出るまでは数日が必要です。
しかし、家庭菜園、ペット、住民、そして、何よりも薬剤散布をする自分に優しいこの薬剤に惚れ込み、現在はよほどのことがない限り化学農薬を使用することはありません。
心配な体調の方は、「虫は死ぬし、酒は旨い」で、家族から白い目で見られています。
最近、ふとしたことから、現在、農水省で農薬の認可と失効に携わっている部署の存在を知り、そこで最新の微生物殺虫剤&微生物殺菌剤について知る機会を得ました。
ただ、調べるほどに、日本の農業従事者は安価な化学農薬使用から脱却することができず、細菌農薬のシェアは全体の1%にも満たないとかで、かなり苦戦を強いられていることが判明しました。下に記されている薬剤も同様で、いつ、売れ行き不振から失効の憂き目にあうか予測できないというのが今の立ち位置です。
なお、決して会社の回し者ではありませんが、細菌農薬は何度使用しても農薬使用のデーターにカウントされない。無農薬栽培&有機栽培にこの薬剤を使用してもかまわない。つまり、この「農薬」は農水省に「農薬登録」をしているけど、実際は「無農薬扱い」である。なおかつ、化学薬剤のように、虫にも菌にも耐性が生じないため、何回連続使用しても効果が減ずることはないという利点があります。
欠点をあげるとすれば、
@ 化学薬剤に比べて割高である。なおかつ、100g容器では 1,200円〜1,500円であるが、まだ売れ行きが見通せないためか、500g容器(5,000円〜8,000円)が大部分なので、プランターや家庭菜園で楽しんでいる一般人はとても手が出ない。
A 某会社の「シュコロ、イチコロ、○○○○ール」の宣伝のように即、殺虫駆除は期待できない。病死するまでの数日間〜10日間待つのだ!、という気長な忍耐&必ず駆除できるという信頼が必要である。
B 細菌農薬で一番売れているのは殺虫剤のBT剤である。私の町では、その中の「トアロー」だけはホームセンターで目にするが、ほかの細菌農薬は目にすることがない。当然ながら、売れる商品しか陳列しないのが常識的な販売店の経営方針なので、結果的に取り寄せか、ネットで求めざるを得ない。どちらかと言えば、ホームセンターでしか農薬の知識を得られない一般園芸家にとっては、すこぶる情報不足で入手困難な薬剤であると言っても過言ではない。
1、現在市販されている微生物殺虫剤
私個人的には、現在BT剤を愛用しています。他の薬剤は今後、試用の予定ですが、もし、ボタニガードでBT剤のようにチョウ・ガの幼虫を駆除できのであれば、BT剤では駆除できなかったコナジラミ・アザミウマ・甲虫目(コガネムシ成虫)、ハチ目(カブラハバチ幼虫)、ハエ目(ハモグリバエ)も駆除できるらしいので、是非試用したい一つです。また、土壌中のコガネムシ幼虫を駆除するバイオトピアにも興味があります。
2、現在市販されている微生物殺菌剤
殺菌剤としては自家菜園のキュウリに発生するモザイク病対策にレンテミン、アケビに発生するうどんこ病へのタフパールタフブロックに興味があります。ただ、普段使用している化学薬剤である、有機塩素剤のダコニール、ベンゾイミダゾール系殺菌剤のトップジンM&ベンレートと比較すると、かなり高価なのが気になりますね。うどんこ病の治療は天然殺菌剤のマシン油が妥当なのかもしれません。
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