カシの葉の表面に白い粉を吹き、やがて裏側が赤紫色に変色すれば、これは、うどんこ病の一種である紫カビ病です。







カシの紫カビ病には次の3系統・7種類の薬剤が指定登録されています。  農水省 ファミックより抜粋

登録番号 用途 農薬の種類 農薬の名称 略称 作物名 適用病害虫雑草名 希釈倍数使用量 使用時期 本剤の使用回数 使用方法
11573 殺菌剤 チオファネートメチル水和剤 トップジンM水和剤 日本曹達 かし 紫かび病 1000倍 発病初期 5回以内 散布
11574 殺菌剤 チオファネートメチル水和剤 クミアイトップジンM水和剤 クミアイ化学 かし 紫かび病 1000倍 発病初期 5回以内 散布
11575 殺菌剤 チオファネートメチル水和剤 ホクコートップジンM水和剤 北興化学 かし 紫かび病 1000倍 発病初期 5回以内 散布
20976 殺菌剤 チオファネートメチル水和剤 日農トップジンM水和剤 日本農薬 かし 紫かび病 1000倍 発病初期 5回以内 散布
23108 殺菌剤 チオファネートメチル水和剤 協友トップジンM水和剤 協友アグリ かし 紫かび病 1000倍 発病初期 5回以内 散布
19100 殺菌剤 メパニピリム水和剤 フルピカフロアブル クミアイ化学 かし 紫かび病 2000倍 発病初期 3回以内 散布
15890 殺菌剤 イミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤 ポリベリン水和剤 クミアイ化学 かし 紫かび病 1000倍 発病初期 3回以内 散布

トップジンMの解説
ベンゾイミダゾール系殺菌剤
▽この系統の殺菌剤は抗菌スペクトラムの広いことと,強い殺菌力と選択性のあること,また浸透性であることを特徴とする。
▽作用点は有糸分裂の阻害と考えられている。
▽ベノミル剤やチオファネートメチル剤は,作物に散布されると加水分解してMBCとなり,殺菌作用をあらわすという。これらの薬剤は連用すると耐性菌が出やすく,また作用点が同じであることから,双方の耐性菌は交差耐性を示す。
▽人畜毒性は低い。

1)チオファネートメチル剤  
▽主成分は1,2-ビス(3-メトキシカルボニル-2-チオウレイド)ベンゼン〈チオファネートメチル〉で,細菌病,鞭毛菌類を除く病害の汎用殺菌剤である。
▽予防,治療効果を兼ねた殺菌剤で残効性も長く,低濃度で効力をあらわす。
▽連用により野菜類のうどんこ病,灰色かび病,ウリ類のつる枯病,リンゴの黒星病,
温州ミカンの青かび病,緑かび病などに耐性菌が出ている。連用をさけて系統の異なる殺菌剤と組み合わせ使用する。