樹木の「うどんこ病」防除用殺菌剤の1つトリフミンです。樹木の葉が白くなったら、まず、これを散布しましょう。

※ただ連用すれば間違いなく病原菌に耐性が出来るため、他の薬との兼用が必要です。


ステロール生合成阻害剤(EBI剤)

▽本剤はEBI剤とも呼ばれるが,これは,Ergosterol Biosynthesis Inhibitorの略称である,また単にSterol Inhibitor,略称でSIとも呼ばれる。
▽エルゴステロールはステロール(アルコール系化合物)の一種である。コレステロールは動物に含まれるステロールであり,エルゴステロールは酵母や糸状菌に含まれるステロー
ルで細胞膜の形成に必要な物質である。本剤の作用機作は,病原菌のエルゴステロールを阻害することにより殺菌効果をあらわす。
▽広範な病原菌に有効で,ことに各種のうどんこ病に対しては共通的に活性が高い。ただし疫病菌,べと病菌,ピシウム菌など鞭毛菌にはエルゴステロールを欠くため効力は低い。
▽植物への浸透性がすぐれ,菌糸の阻害力が強いため治療効果を発揮する。
▽一般に低濃度で効く。
▽作物の伸長抑制が見られることがあるが,これは本剤のジベレリン生合成阻害作用に起因するものとされている。
▽本剤の過用は耐性菌の発生を助長するので注意を要する。

トリフルミゾール剤

▽主成分は(E)-4-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-N-(1-イミダゾール-1-イル-2-プロポキシエチリデン)-O-トルイジン<トリフミゾール>でイミダゾール系のEBI剤である。
▽作用機作は他のEBI剤に同じ。
▽抗菌スペクトラムが広く,予防効果と治療効果を兼ねる。
▽浸透性がすぐれるので,耐雨性がある。

登録番号 用途 農薬の種類 農薬の名称 作物名 適用病害虫雑草名 希釈倍数使用量 使用時期 本剤の使用回数
16300 殺菌剤 トリフルミゾール水和剤 トリフミン水和剤 樹木類 うどんこ病 3000倍 発病初期 5回以内


参考のために作物を「樹木」、病害虫名を「うどんこ病」として抽出してみました。使用に際しては、耐性回避のため、複数薬剤の兼用をお勧めします。

登録番号 農薬の種類 農薬の名称 略称 作物名 希釈倍数 使用時期 使用回数 使用方法
9625 DBEDC乳剤 サンヨール 米澤化学 樹木類(つつじ類を除く) 500倍 発生初期 8回以内 散布
15890 イミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤 ポリベリン水和剤 クミアイ化学 樹木類(かし、まさき、さるすべりを除く) 1000倍 発病初期 3回以内 散布
18686 イミベンコナゾール乳剤 マネージ乳剤 北興化学 樹木類(まさき、さるすべり、じんちょうげ、ポプラ、ぼけ、やなぎ、せいようきんしばいを除く) 1000倍 発病初期 6回以内 散布
19723 キノキサリン系水和剤 兼商モレスタン水和剤 カネショウ 樹木類(こでまり、ポインセチア、やなぎを除く) 2000倍 - - 散布
21261 シフルトリン・トリアジメホン液剤 ヒットゴール液剤AL ハイポネックス 樹木類(つばき類、さるすべり、いぬまきを除く) 原液 発生初期 5回以内 希釈せず
20695 シメコナゾール水和剤 パッチコロン水和剤 三井化学アグロ 樹木類 2000倍 発病前〜発病初期 5回以内 散布
11573 チオファネートメチル水和剤 トップジンM水和剤 日本曹達 樹木類(つつじ類、かし、さくら、じんちょうげ、ぼけ、ポプラ、いぬつげを除く) 1000倍 発病初期 5回以内 散布
11574 チオファネートメチル水和剤 クミアイトップジンM水和剤 クミアイ化学 樹木類(つつじ類、かし、さくら、じんちょうげ、ぼけ、ポプラ、いぬつげを除く) 1000倍 発病初期 5回以内 散布
11575 チオファネートメチル水和剤 ホクコートップジンM水和剤 北興化学 樹木類(つつじ類、かし、さくら、じんちょうげ、ぼけ、ポプラ、いぬつげを除く) 1000倍 発病初期 5回以内 散布
20976 チオファネートメチル水和剤 日農トップジンM水和剤 日本農薬 樹木類(つつじ類、かし、さくら、じんちょうげ、ぼけ、ポプラ、いぬつげを除く) 1000倍 発病初期 5回以内 散布
23108 チオファネートメチル水和剤 協友トップジンM水和剤 協友アグリ 樹木類(つつじ類、かし、さくら、じんちょうげ、ぼけ、ポプラ、いぬつげを除く) 1000倍 発病初期 5回以内 散布
16300 トリフルミゾール水和剤 トリフミン水和剤 日本曹達 樹木類 3000倍 発病初期 5回以内 散布
16301 トリフルミゾール水和剤 石原トリフミン水和剤 石原産業 樹木類 3000倍 発病初期 5回以内 散布
19469 トリフルミゾール水和剤 ヤシマトリフミン水和剤 協友アグリ 樹木類 3000倍 発病初期 5回以内 散布
20853 フェンプロパトリン・テトラコナゾール液剤 ダブルプレーAL 保土谷アグロテック 樹木類(つばき類を除く) 原液 発生時 - 散布
22213 フェンプロパトリン・テトラコナゾール液剤 ダブルアタック 北興産業 樹木類(つばき類を除く) 原液 発生時 - 散布
19100 メパニピリム水和剤 フルピカフロアブル クミアイ化学 樹木類(かしを除く) 2000倍 発病初期 3回以内 散布


かしの紫かび病指定」のトップジンM水和剤等が、樹木類( ・・・、かし、・・・・・を除く )と書かれていたので、怪訝に思い、作物名を「かし」、病害虫名を「うどんこ病」で抽出したら「トップジンM水和剤」がしっかり出てきました。すでに「かし」で登録したため、次の登録時は「かし」を取り除いたのでしょうか? 薬剤容器のラベルにはこの通りに記載されるため「かしには効かないの?」 という誤解を生む可能性が大ですね。

登録番号 農薬の種類 農薬の名称 略称 作物 病害虫名 希釈倍数 使用時期 使用回数
11573 チオファネートメチル水和剤 トップジンM水和剤 日本曹達 かし うどんこ病 1000倍 発病初期 5回以内
11574 チオファネートメチル水和剤 クミアイトップジンM水和剤 クミアイ化学 かし うどんこ病 1000倍 発病初期 5回以内
11575 チオファネートメチル水和剤 ホクコートップジンM水和剤 北興化学 かし うどんこ病 1000倍 発病初期 5回以内
20976 チオファネートメチル水和剤 日農トップジンM水和剤 日本農薬 かし うどんこ病 1000倍 発病初期 5回以内
23108 チオファネートメチル水和剤 協友トップジンM水和剤 協友アグリ かし うどんこ病 1000倍 発病初期 5回以内
19100 メパニピリム水和剤 フルピカフロアブル クミアイ化学 かし うどんこ病 2000倍 発病初期 3回以内
15890 イミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤 ポリベリン水和剤 クミアイ化学 かし うどんこ病 1000倍 発病初期 3回以内