(1)広葉樹、孤立木、樹高8mの切り株断面(地上高=1m)の年輪模式図(枝打ち跡あり)があり、その図から読み取れる樹木情報を記載せよ。(図:年輪模式図)
※情報提供者談→年輪の読解力を要求する問題。ポイントは、広葉樹の斜面上での年輪成長特性と枝打ち時と思われる。
(2)学校のソメイヨシノのサクラAがてんぐ巣病への罹病、サクラBが踏圧による枯損がみられる。生徒に説明するため、各現象の特徴、原因、観察と実測の方法を述べよ。
※情報提供者談→サクラの一般的な知見を問う問題。
(3)東京都内の1月と8月の気温変化が1900年からのデータで示されており、その傾向、それに対する樹木専門家としての意見を述べよ。
(図: 東京都内の1月と8月の気温変化図(最高・平均・最低、どの線も右肩上がり)
※情報提供者談→グラフの読解力と都市の気候についての樹木的所見を求める問題。ポイントは、ヒートアイランド現象と気温変化の速度を気温の低減率などで具体的に森林の垂直分布などに置き換えてイメージすることと思われた。温暖化の影響については、それほど顕著ではないにしろ、触れる必要があった。以上、ご参考まで。ご活躍を祈念しております。
6、平成21年度
(1)人工スギ林を伐採した後、何もしないで元の広葉樹林に戻るための条件を論述しなさい。
(2)図と表を元にマツノザイセンチュウの伝搬について地理的、時間的に論述しなさい。
※情報提供者談→ 森林総合研究所の秋庭満輝氏原図が使用されているようです。私は、戦後とか、高度成長期などの年代をふまえて論述しました。
(3)切り土の植栽地に通常の植穴客土をし、ヤブツバキを植えたが、植栽後1年後から衰退し始めた。その原因をヤブツバキの植物的特性から論述しなさい。
※情報提供者談→切り土というのがポイントだと思います。
7、平成22年度
メールをそのまま掲載させて頂きました。
はじめまして。今年の樹木医試験を受験したものです。
こちらのサイトを参考に今回の試験に臨みました。
恩返しではありませんが、今年の論述試験問題についてメールさせていただきます。もちろんあいまいなものが多いですが。出れも長文でしたので。
名前は埼玉・Oとでも(笑)
Q1.古い野外活動の本に「切り株の年輪幅の広い方が南」と書かれているものがありますが、それは違うという話をしていたところ、その場で聞いていた方が「実際に日当たりの良い南側が広い切り株をみた」という話をしてきました。このように年輪幅が形成されるにあたって、方位で差が生まれないことを光合成産物の流れや科学的見地から説明しなさい。
Q.2新興住宅地の庭のアカマツが衰弱しているという連絡があり、現場に行く。アカマツの状況としては、葉が小さくなり茶褐色(あいまいです)となっている。この土地は以前水田であり、盛り土を行ったところに植栽をした。このアカマツの衰弱理由を二つ挙げ、それぞれの治療法について書きなさい。
Q.3環境緑化を行う場合、臨海地区等の植栽に適さない土地に植栽をしなければならないことがあるが、樹種・品種を間違えば枯損させてしまうこともある。あなたの住んでいる地域でそのような不適地に植栽する場合。どのような事に気をつけなければならないか書きなさい。
大体はこのような内容でした。
残念ながら、私はまた来年も受験となる見込みですが、あきらめず取り組もうと思います。
8、平成23年度
今年は、三澤様と木村様からご提供をいただきました。ただ、お互い記憶によるため、論旨は同じですが若干言語表現が異なるため、勝手ながら両者の文章を組み合わせました。
1小笠原が世界遺産に登録された。隔離された環境が独自の生態系を生み出した。現在アカギやトクサバモクマオウのような外来樹種が小笠原で問題になっている。 外来樹種を行政が中心となって駆除を行っているが、外来樹種が小笠原の生態系にどのような問題を与えるか以下の語句を使い説明せよ。
・在来種、外来種、森林生態系の構造、他の生物
2マツノザイセンチュウ病はマツノマダラカミキリが媒介者。日本では7月頃に1回脱出、9月頃まで成虫を見ることが出来る。
一方、台湾や中国南部(曖昧)のマツマダラカミキリは年2回脱出する。
枯死した松を樹皮をつけたまま輸入したとき。どのようなリスクが考えられるか日本で起こりえる問題を予測し、その根拠も述べよ。
3里山の問題。
関東平野の二次林で造成地開発をした。里山を保存するために、樹木の移植を行った。省力化と節約(手間の削減)のため根株にして移植した。
はじめは、萌芽枝が出てきたが、3年目までに衰退しすべて枯れてしまった。
なぜ枯れてしまったのか、また、根株で移植するにあたりどのようにすればよいか、解決策ものべよ。
9、平成24年度
今年は神奈川県のTAKOSEKI様よりご提供頂きました。ありがとうございました。なお、メールの一部も掲載させて頂きました。
お世話になっております。神奈川県のTAKOSEKIと申します。今年の樹木医試験を受験しました。こちらのホームページで論述試験の勉強をさせていただきましたのでお礼と今勉強をしている方がたの参考になればとメールさせていただきます。
問1 福島第一原子力発電所の事故により周辺に放射セシウムが降下しました。福島県大玉地区で平成23年8月に調査した森林のスギとコナラの部位別セシウム濃度と蓄積量のグラフがあります。(これは林野庁の森林内の放射性物質の分布状況分布状況調査結果についてというレポートから引用していると思います。)このグラフからよみととれるスギとコナラの汚染状況の違いについて樹種の特性、季節性などを考慮して論述せよ。
問2 最近北海道と四国をのぞく地域で被害が拡大しているカシノナガキクイムシについて生態環境の概略と被害が拡大している原因について(仮説)論述せよ。
問3 ある不特定多数の人々が訪れる公園のある大木が最近弱っているので見てほしいと依頼を受けた。調査の結果、木の周りに柵を設けて周辺を立ち入り禁止にすることにした。ところが地元住民から木陰で休みたいし、子供たちが木の周りで走り回っている姿が見られなくなるのはさびしいなどの苦情が寄せられた。なぜ木の周りに柵が必要なのか住民たちにわかりやすく説明せよ。
以上細かい点は間違っているかもしれませんが以上のような問題でした。
10、平成25年度
今年は ish様から情報提供を頂きました。ありがとうございました。なお、メールの一部も掲載させていただきました。
初めまして。平成25年度の樹木医試験に受験しました。受験にあたり大変参考にさせていただきました。ありがとうございました。
何かの参考になればと思い、今年の論述問題を記憶の範囲で送信します。
@(「広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン」森林総合研究所 から出典。ブナの遺伝的分化を例に上げた上で)遺伝的多様性保全の観点から種子の採取、苗木の生産、植栽・森林管理について留意すべきことを述べよ。
A松材線虫病の伝染環と松の抵抗性を調べる実験方法について述べよ。
B足尾銅山の歴史と太平洋側脊梁山間地という地理的条件を踏まえて、緑化を難しくしている要因を推察して対策を述べよ。
何かのお役に立てば幸いです。
11、平成26年度
今年は中村様から情報提供頂きました。 ありがとうございました。
はじめまして。今回論述対策にホームページを参考にさせて頂きました。自分自身ちょっと今年は厳しいかもと思っていますが、今後のみなさんの参考になればと思いメール致しました。 内容はうろ覚えなのでざっくりになりますがどうぞよろしくお願いします。 中村
@里山保全と二次林との関わりを例に、種子増殖の為の適切な方法(採取、保存、播種、発芽、実生苗育種)。アカシデ、コナラ、シイノキ、モチノキなど・・・の例をあげたうえで
Aシカの獣害被害の拡大の原因と森林被害と生態系への影響 ※中村様から参考URLを頂きました。
B都市部の街路樹や工場の緑化に期待される機能とは
12、平成27年度
今年は広島のkenichi39 様より情報提供を頂きました。ありがとうございました。
なお、下記の情報を頂いた時には一次試験突破とのことでしたので、メールをそのまま掲載させて頂きました。
その後、二次試験も突破されたとの嬉しいご報告も頂いております。
はじめまして
平成27年7月26日に受験しました結果発表が、8月21日付で送付されてきました。 選択問題が予想に反して知らないものの出題が多かったのです。記述式については、山が当たって?解答用紙を埋めることができました。 ダメだろうと諦めていましたが、2期の樹木医研修を受けにつくば市へ行くことになりました。
受験に当たっては、ykumagai様のホームページを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
ほかの方々からもご連絡が行っているとは思いますが、記述式問題をお知らせいたします。(日にちが経過しているので概略と言うことでお許しください。)