1、平成13年度 
(1)松食い虫対策について述べよ
(2)街路樹について自分の考えを述べよ
(3)樹木の世界3大流行病について述べよ

2、平成15年度
(1)松食い虫の防除についてあなたの考えを述べよ
(2)森林伐採による地球の温暖化が叫ばれているが、バイオマスという観点からその対策についてあなたの考えを述べよ
(3)樹木には針葉樹、落葉樹、常緑樹があるが、それを、街路樹という考え方で文章をまとめなさい。

3、平成18年度  
(1)特定外来生物として木本植物の現生態系に与える影響について論述せよ。
(2)同樹種(サクラ)の街路樹と天然記念物の樹木調査、治療について、注意すべき点を論述せよ。
(3)築30年の集合住宅において、伐採を主張する住民と、緑を残して欲しい住民との間で、樹木医としてアドバイスを

4、平成19年度 
(1)Aさんは花粉症で悩んでいます。迷惑だからスギを全部切ればよいといいます。あなたは、樹木の果たす役割(水源涵養、光合成による二酸化炭素の吸着などなど)を説明しました。Aさんは、それじゃあ間伐をして本数を減らせばよいじゃないかといいます。スギ花粉の生産量を間伐によって減らすことはできるのでしょうか?どのような点に考慮すれば減らすことができるかを論述しなさい。
 ※情報提供者談→ものすごく長い問題なので細部までは覚えていませんが、こんな内容でした。
(2)海岸沿いのクロマツの林で集団で枯れ木が発生しているので、樹木の診断を依頼されました。クロマツが枯れている原因について2つあげて、その調査方法について論述せよ。
(3)植栽後25年経過した工場の植栽のケヤキがここ数年夏の終わりに何本か枯死しています。ここはもともと、水田と湿原であったところに1.5メートルの良質な土壌を客土して植栽しています。植栽時の樹齢は約15年でした。現在でも工場の周辺には水田があり耕作をしています。枯れたケヤキの根を診断したところ、太く長い根はなく棕櫚(シュロ)のようなひげ根が狭い範囲にみられました。このケヤキが枯死した原因として考えられことについて論述せよ。
 ※情報提供者談→第三問も問題の内容はこんな感じですが、細部に間違いがあると思います。以上、ぜひお役に立ててください。

5、平成20年度 
(1)広葉樹、孤立木、樹高8mの切り株断面(地上高=1m)の年輪模式図(枝打ち跡あり)があり、その図から読み取れる樹木情報を記載せよ。(図:年輪模式図)
 ※情報提供者談→年輪の読解力を要求する問題。ポイントは、広葉樹の斜面上での年輪成長特性と枝打ち時と思われる。
(2)学校のソメイヨシノのサクラAがてんぐ巣病への罹病、サクラBが踏圧による枯損がみられる。生徒に説明するため、各現象の特徴、原因、観察と実測の方法を述べよ。
 ※情報提供者談→サクラの一般的な知見を問う問題。
(3)東京都内の1月と8月の気温変化が1900年からのデータで示されており、その傾向、それに対する樹木専門家としての意見を述べよ。
(図: 東京都内の1月と8月の気温変化図(最高・平均・最低、どの線も右肩上がり)
 ※情報提供者談→グラフの読解力と都市の気候についての樹木的所見を求める問題。ポイントは、ヒートアイランド現象と気温変化の速度を気温の低減率などで具体的に森林の垂直分布などに置き換えてイメージすることと思われた。温暖化の影響については、それほど顕著ではないにしろ、触れる必要があった。以上、ご参考まで。ご活躍を祈念しております。

6、平成21年度
(1)人工スギ林を伐採した後、何もしないで元の広葉樹林に戻るための条件を論述しなさい。
(2)図と表を元にマツノザイセンチュウの伝搬について地理的、時間的に論述しなさい。
 ※情報提供者談→ 森林総合研究所の秋庭満輝氏原図が使用されているようです。私は、戦後とか、高度成長期などの年代をふまえて論述しました。
(3
)切り土の植栽地に通常の植穴客土をし、ヤブツバキを植えたが、植栽後1年後から衰退し始めた。その原因をヤブツバキの植物的特性から論述しなさい。
 ※情報提供者談→切り土というのがポイントだと思います。

7、平成22年度  
 メールをそのまま掲載させて頂きました。
はじめまして。今年の樹木医試験を受験したものです。
こちらのサイトを参考に今回の試験に臨みました。
恩返しではありませんが、今年の論述試験問題についてメールさせていただきます。もちろんあいまいなものが多いですが。出れも長文でしたので。
名前は埼玉・Oとでも(笑)
Q1.古い野外活動の本に「切り株の年輪幅の広い方が南」と書かれているものがありますが、それは違うという話をしていたところ、その場で聞いていた方が「実際に日当たりの良い南側が広い切り株をみた」という話をしてきました。このように年輪幅が形成されるにあたって、方位で差が生まれないことを光合成産物の流れや科学的見地から説明しなさい。
Q.2新興住宅地の庭のアカマツが衰弱しているという連絡があり、現場に行く。アカマツの状況としては、葉が小さくなり茶褐色(あいまいです)となっている。この土地は以前水田であり、盛り土を行ったところに植栽をした。このアカマツの衰弱理由を二つ挙げ、それぞれの治療法について書きなさい。
Q.3環境緑化を行う場合、臨海地区等の植栽に適さない土地に植栽をしなければならないことがあるが、樹種・品種を間違えば枯損させてしまうこともある。あなたの住んでいる地域でそのような不適地に植栽する場合。どのような事に気をつけなければならないか書きなさい。
 
大体はこのような内容でした。
残念ながら、私はまた来年も受験となる見込みですが、あきらめず取り組もうと思います。


8、平成23年度  
今年は、三澤様と木村様からご提供をいただきました。ただ、お互い記憶によるため、論旨は同じですが若干言語表現が異なるため、勝手ながら両者の文章を組み合わせました。
1小笠原が世界遺産に登録された。隔離された環境が独自の生態系を生み出した。現在アカギやトクサバモクマオウのような外来樹種が小笠原で問題になっている。 外来樹種を行政が中心となって駆除を行っているが、外来樹種が小笠原の生態系にどのような問題を与えるか以下の語句を使い説明せよ。
 ・在来種、外来種、森林生態系の構造、他の生物
2マツノザイセンチュウ病はマツノマダラカミキリが媒介者。日本では7月頃に1回脱出、9月頃まで成虫を見ることが出来る。
 一方、台湾や中国南部(曖昧)のマツマダラカミキリは年2回脱出する。
 枯死した松を樹皮をつけたまま輸入したとき。どのようなリスクが考えられるか日本で起こりえる問題を予測し、その根拠も述べよ。
3里山の問題。
 関東平野の二次林で造成地開発をした。里山を保存するために、樹木の移植を行った。省力化と節約(手間の削減)のため根株にして移植した。
 はじめは、萌芽枝が出てきたが、3年目までに衰退しすべて枯れてしまった。
 なぜ枯れてしまったのか、また、根株で移植するにあたりどのようにすればよいか、解決策ものべよ。

9、平成24年度 
今年は神奈川県のTAKOSEKI様よりご提供頂きました。ありがとうございました。なお、メールの一部も掲載させて頂きました。
お世話になっております。神奈川県のTAKOSEKIと申します。今年の樹木医試験を受験しました。こちらのホームページで論述試験の勉強をさせていただきましたのでお礼と今勉強をしている方がたの参考になればとメールさせていただきます。
問1 福島第一原子力発電所の事故により周辺に放射セシウムが降下しました。福島県大玉地区で平成23年8月に調査した森林のスギとコナラの部位別セシウム濃度と蓄積量のグラフがあります。(これは林野庁の森林内の放射性物質の分布状況分布状況調査結果についてというレポートから引用していると思います。)このグラフからよみととれるスギとコナラの汚染状況の違いについて樹種の特性、季節性などを考慮して論述せよ。
問2 最近北海道と四国をのぞく地域で被害が拡大しているカシノナガキクイムシについて生態環境の概略と被害が拡大している原因について(仮説)論述せよ。
問3 ある不特定多数の人々が訪れる公園のある大木が最近弱っているので見てほしいと依頼を受けた。調査の結果、木の周りに柵を設けて周辺を立ち入り禁止にすることにした。ところが地元住民から木陰で休みたいし、子供たちが木の周りで走り回っている姿が見られなくなるのはさびしいなどの苦情が寄せられた。なぜ木の周りに柵が必要なのか住民たちにわかりやすく説明せよ。

以上細かい点は間違っているかもしれませんが以上のような問題でした。

10、平成25年度
今年は ish様から情報提供を頂きました。ありがとうございました。なお、メールの一部も掲載させていただきました。
 初めまして。平成25年度の樹木医試験に受験しました。受験にあたり大変参考にさせていただきました。ありがとうございました。
何かの参考になればと思い、今年の論述問題を記憶の範囲で送信します。
@(「広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン」森林総合研究所  から出典。ブナの遺伝的分化を例に上げた上で)遺伝的多様性保全の観点から種子の採取、苗木の生産、植栽・森林管理について留意すべきことを述べよ。
A松材線虫病の伝染環と松の抵抗性を調べる実験方法について述べよ。
B足尾銅山の歴史と太平洋側脊梁山間地という地理的条件を踏まえて、緑化を難しくしている要因を推察して対策を述べよ。
何かのお役に立てば幸いです。

11、平成26年度
今年は中村様から情報提供頂きました。 ありがとうございました。

 はじめまして。今回論述対策にホームページを参考にさせて頂きました。自分自身ちょっと今年は厳しいかもと思っていますが、今後のみなさんの参考になればと思いメール致しました。 内容はうろ覚えなのでざっくりになりますがどうぞよろしくお願いします。 中村

@里山保全と二次林との関わりを例に、種子増殖の為の適切な方法(採取、保存、播種、発芽、実生苗育種)。アカシデ、コナラ、シイノキ、モチノキなど・・・の例をあげたうえで
A
シカの獣害被害の拡大の原因と森林被害と生態系への影響
 ※中村様から参考URLを頂きました。
B都市部の街路樹や工場の緑化に期待される機能とは


12、平成27年度
 今年は広島のkenichi39 様より情報提供を頂きました。ありがとうございました。
なお、下記の情報を頂いた時には一次試験突破とのことでしたので、メールをそのまま掲載させて頂きました。
その後、二次試験も突破されたとの嬉しいご報告も頂いております。
はじめまして
平成27年7月26日に受験しました結果発表が、8月21日付で送付されてきました。 選択問題が予想に反して知らないものの出題が多かったのです。記述式については、山が当たって?解答用紙を埋めることができました。 ダメだろうと諦めていましたが、2期の樹木医研修を受けにつくば市へ行くことになりました。
 受験に当たっては、ykumagai様のホームページを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
ほかの方々からもご連絡が行っているとは思いますが、記述式問題をお知らせいたします。(日にちが経過しているので概略と言うことでお許しください。)

1 植林に当たってA氏、B氏、C氏がそれぞれの意見を述べているが、その中で一人の意見を選び、良い点と悪い点を論述しなさい。
A氏:植林に当たっては過密(3000本程度/ha)に苗木を植林し、それぞれの自然の成長に任せて自然淘汰する方法が適している。
B氏:植林に当たっては過密に植えると費用がもったいないしお互いに成長を妨げる恐れがあるので、粗に植えて自然に大きく育てる方法が良い。
C氏:植林に当たっては、当初は過密(3000本程度/ha)を植え、成長に合わせて間伐など適正な管理を行う方がよい。

2 写真1の樹木が赤褐色に枯損していたので、樹木を調べたところ、写真2のような特徴を持った虫が観察された。この昆虫についての特徴と何故この樹木が枯れたのかを記述しなさい。
※カラー写真2枚(コナラかミズナラとカシノナガキクイムシの菌のう部分のアップ)がある。
3 都市部において街路樹を植栽するに当たり、配慮すべき点について論述しなさい。

細かいところまでは忘れてしまいましたが、このような内容でした。
400字原稿用紙も余分に1行程度記載することが出来るので助かりますね。
選択式はみやすいですと監督官の方が仰っていましたが、過去問と同じような内容は全くなくて面食らってしまいました。


申込者数は540名だそうですが、当日は欠席者もちらほらいらっしゃいました。(大阪会場)
来年の皆様のご健闘をお祈りします。その前に研修と面接で不合格にならないよう頑張ります。
^^;
広島のkenichi39からでした


13、平成28年度
平成28年度分に関しては、千葉県のMKさんから情報を頂きました。ありがとうございました。
 こんばんは。千葉県のMKと申します。勉強の際、ご掲載されている過去問の情報に大変お世話になりました。
平成28年度樹木医試験の論述問題の問題についてご報告させていただきます。
1、ヨーロッパなどに比べて日本は森林の生態系の多様性が高いと言われている。なぜ多様性が高いか、環境的な側面と地史的な側面から理由を述べよ。
2、【葉の茂っているサクラの幹にサルノコシカケのような白いキノコが付着している写真】
 葉は青々と茂っているサクラ並木のなかに、画像のような付着物がある木が複数見られると
利用者から報告があったため、調査依頼がきた。
樹木医としてどうするべきか、調査方法や診断方法について具体的な方法を上げた上で自分
の考えを述べよ。
3、【図.1枯死したケヤキの切株の根本を掘り起し、根を掘り起こした写真】【図2.1の拡大画像。採掘の際にスコップで傷ついた跡が見える写真】

 ※イメージを探せませんでしたので割愛します。
 (画像では、おそらく植栽された際の根回しの後から伸長が進んでいない様子でした。細根も見られませんでした。)

 樹木医として診断結果を作成する際は、観察を丁寧に行うことが重要である。 

樹高15m 幹1.1m 枝張り12m(枝張りの数値以外あいまいです。大きめの木だったように思います。)のケヤキが枯死した。
根本を掘り起こしたところ、写真のような根の様子が観察された。 

根の様子について詳細に観察して記述せよ。
また、枯死した原因やなぜこのような根の様子になっているかという理由については述べなくてよい。
以上です。他の情報提供者様のご報告がございましたら、照らし合わせてより正しい情報に復元いただけますと幸いです。
 千葉県のMKさんからでした。


14、平成30年度 
平成30年度分に関してはJMさんから情報を頂きました。ありがとうございました。
記憶の範疇ですが、ご提供致します。
(1)樹齢50年のブナ林で後継樹が育っていないとの相談を受けた。どのような調査と対策を行うことが考えられるか。
(2)@公園の樹林部、A日除けテント部、B舗装部(上部何もなし)のサーモグラフィーの画像が3枚提示された上で
画像を見て、公園の樹木が地表面温度にあたえる影響と、どのような働きによるのかを答えよ。
(3)街路樹にポプラやユリノキなど成長の早い樹種が植えられることがあるが、そのメリットとデメリットを管理面などを踏まえて論述せよ


メニューへ





○ちなみに試験時間ですが下記のように日本緑化センターの「樹木医研修受講者募集要項」に示されています。
 筆記試験は、選択式(午前中90分を予定)及び論述式(午後90分を予定)の出題により行います。選択式の問題は、主に樹木医研修科目から出題されます。※私が受験した時は選択式試験は午前10:30〜12:00(90分)、論述式試験は午後1:30〜3:00(90分)でした。

・論述試験において「90分」ということは1問の割り当て時間が30分に限られるということです。そして、人様に見せる字を書くということはそれなりに1字1字ていねいに書くことが要求されます。そのため、私が最初に受験した時、1問目の下書きをし、それを慎重に回答用紙へ写し終えたら残り時間が30分しかありませんでした。その反省から2回目の試験時は、素早く論旨を決め、後は下書きなしに必死に字を書き殴りました。それでも、3問目を書き終わったら終了時間までに10分程度しか残されておらず、誤字のチェックをしていたら終了時間を告げられました。人ごとのようですが、平成19年度のように長い問題が出たらどう書けばいいのでしょうね?

※平成13年度の3問目(滋賀S様)・平成18年度(K様)・19年度(大阪K様)・20年度(M様)・21年度(東京川瀬様)の情報提供ありがとうございました。論述式試験の字数に関しては、回答用紙は1問に対して400字用を各1枚、下書き用として別紙2枚、計5枚を配布されたとのことです。





 樹木医を目指している方の参考になればと、つたない私の挑戦記のサイトを立ち上げましたが、一番問い合わせが多かったのがこの論述問題(記述式問題)です。なるほど、問題集を発行している日本樹木医会の1文には「問題集中、「論述問題」は”模範解答”が無いため問題集から省かれてますので購入の際にはご注意下さい」と書かれているだけです。 そこで、何かの参考になればとこのサイトを追加しました。  ただ、私自身は2回しか受験していませんし、その時の記憶も相当に曖昧ですので、実際に受験した方で、論述問題の文章をしっかり記憶している方々からの情報を頂き、より完全に近い形にしたいと思っています。何卒、情報提供をお願いします。


樹木医試験 論述問題一覧

  



3、平成18年度  
(1)特定外来生物として木本植物の現生態系に与える影響について論述せよ。
(2)同樹種(サクラ)の街路樹と天然記念物の樹木調査、治療について、注意すべき点を論述せよ。
(3)築30年の集合住宅において、伐採を主張する住民と、緑を残して欲しい住民との間で、樹木医としてアドバイスを