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※ 口金を緩める自作工具
最後に、左及び右下の写真は口金を緩めるためにと私が自作したツールです。ホームセンターで購入した鉄の板をグラインダーとドリルで加工しました。
以上、私なりのやり方で開栓した例を紹介しましたが、同様の経験がございましたらご紹介下さい。
※洗浄用具  なお、この口金は使用するたびに分解・洗浄する必要があります。 左の写真は私が自作した粗末な分解工具です。写真のような切り目を3カ所入れています。使い方は、押し込んでバネを縮めた後、左右どちらかの方向に回してやればバラバラに分解され、各部品(2種類のバネ、2種類のパッキン、スレンレスの筒)の洗浄が容易になります。
作業4 
口金を樽から外したらまず最初にストッパーを取り外しましょう。左の写真はストッパーを外した状態の栓です。すぐ外れるということは、大変に危険であるという意味なので取り扱いには十分に注意しましょう。怪我の責任は自分持ちです。なお、ビア樽が不要になった時には元通りにストッパーを取り付けてから酒屋さんにお返ししましょう。
作業3
ある程度押し込むと、口金の突起にSの刻印のある真下にストッパーが見えてきます。そこをもう1人の人が工具や自作の解除用具を差し込みストッパーを解除させます。後は、押し込んでいたドライバーとワッシャーを取り外し、まっすぐ引き上げれば作業終了です。
作業2
このワッシャーの穴に少し大きめのプラスドライバーを差し込み力任せに真下に押し込みます。
作業1 
ワッシャーをビア樽の中蓋の上に置きます。
※ 参考写真3
これが取り外したストッパーを内側から見た写真です。上の手前に曲がっている部分に工具や自作の解除用具を差し込んでやればストッパーが引っ込みます。
前置きはこのくらいにして、早速作業に入ります。
1、必要な工具
(1)ワッシャー
近くのホームセンターで販売しているワッシャーです。直径は25ミリ、穴のサイズは直径7ミリぐらいで.、1個10円ぐらいで求められます。
(2)押し込み用のプラスドライバー
(3)ストッパー解除用のマイナスドライバーとラジオペンチです。
※ 参考写真2
写真右側(口金上部)から差し込んだマイナスドライバーを回転させてやれば、突起のストッパーが沈み込みます。この状態で引き抜けば口金は楽々樽から切り離すことが出来ます。正式な解除用具はカタカナのの形をしているそうです。私は作っていませんが、スレンレス板等を加工しての自作も可能ですので、意欲のある方は作ってみてください。
次に、刻印のある口金に挑戦してみました。最初は和田様の作成した工具で容易に解除出来ましたが、もっと原始的な工具で解除できないものかと工夫してみました。その結果、1人でやろうとするから大変なのであって、2人でやれば意外と簡単に解除できることに気づきました。役割分担は次の通りです。
1、1人目はもっぱら力任せにフタを押し込む。
2、2人目は、ある程度押し込んだのを見計らいドライバー・細いラジオペンチ・ピンセット等を使用してストッパー金具を内側から解除する。
 ※ 参考写真1
   樽から取り外した口金ですが左側の突起がストッパーで、この突起で口金がビア樽から抜けるのを防いでいます。
これが取り外したストッパーです
最初に刻印の無いタイプの開栓に挑戦しました。そのストッパーの仕組みを取り出した口金で紹介します。

自ビールが仲でお知り合いになった方が自作した工具を使用して中蓋を押し込みました。なお、私の自作器具でないので写真はご遠慮させて頂きました。
そしたら、左の写真のストッパーが下がっていき、やがて右の写真のようにストッパーが隠れてしまいました。
結果として、中蓋を押し込んだだけで開栓することが出来ました。
2つを見比べてみたら左が刻印の無いタイプ、右はS(ストッパー)の刻印がついていました。実はこの刻印の下部にストッパーが仕掛けられています。

ちなみに中心がビールを取り出す蓋、その周りの少し大きめの中蓋はガスを送り込むためのものです
生ビールの流通で出回っているビア樽を自ビールに使用する方のために、参考知識をご紹介します。

写真はサッポロビールのビア樽ですが、上の部分に右の写真のように警告が印刷されております。
なおかつ、いたずら半分で栓を緩めないよう、栓にはロックがかけられており、特殊工具を使用しないと開栓できない仕組みになっております。
先日、知り合いのお酒屋さんで買い物をした時、入り口に積まれていた空のビア樽を「お譲りいただけるものか」とお聞きしたら、メーカーと連絡を取り、結果的にはOKとのことで2個譲って頂きました。お値段は1個 1,150円でした。買ったというよりもリースさせて頂いたという言い方が正解かもしれません。

※余談ですが、最初の頃はストッパーが付けられていなかったので、すべてのビア樽の開栓は容易に可能でした。しかし、このストッパー(正式名 Fitting)の開発に携わった方のお話によりますと、回収したビア樽の清掃中に口金が飛び出し、それが作業員の顔に当たって命に関わるような大けがをしたそうです。それを機にストッパーの開発に取りかかったそうですが、ドイツの特許をかわすためにウン千万円もの開発費がかかったとのことでした。

市販のビア樽開栓の仕方