はてなしの話
むがしむがしあったど。
あるところに話しを聞くことが好きな殿様がいました。
あるとき 殿様は話を聞かせてくれる人を集めました。
一人がやって来ました。殿様の前で話を始めました。屋敷に池があって池の周りに,石があって,石と石の間に樫の木がありました。秋にたくさん実がなりま
した。若者は風が吹いてきて池に,「カチン トポン。」と落ちましたと言いました。殿様はおもしろい話だと聞いていました。しかし若者は,いつまでも
「カチカチカチカチトポトポトポ・・・・・・・・・」
と言い続けました。殿様はあきて,若者に
「ええ あとわがった。つぎなんでぇ。」
と言いました。若者は,
「殿様殿様,まだなっているから,しゃべらせてくだい。」
と言って,
「大風吹けば カチントポン。」
としゃべり続けました。殿様はあきれてしまって,若者に褒美を上げました。それからは殿様は話しを聞かなくなりました。 どっとはらぇ
方言の説明
・なもかも=なにもかにも ・けるしか=くださいますか
・えき=息 ・しゃべる=言う ・それからじもの=それからというものは